今回の記事では、以下の内容について調べてみました。
- カードローンの利用が賃貸審査に影響するか
- 過去にカードローンで滞納していた場合の賃貸審査への影響
結論から言うと、基本的にカードローンの利用が賃貸審査に悪影響を及ぼすことはありません。(一部例外があります。)
・・・詳しくは記事をご覧ください!
カードローンの利用が賃貸審査に影響するか

基本的にカードローンを利用していても賃貸審査に悪影響を与えることはありません。
賃貸物件を契約しようとする際には、これからきちんと家賃を滞りなく支払っていく能力のある人かどうかを判断する際に審査が行われます。大家さんの立場になってみれば、物件を貸し出す相手方には滞りしなくしっかり家賃を支払って行ってもらわないと困りますから、賃貸審査は大家さんや仲介する不動産会社にとってとても重要なことです。
カードローンを利用しようとする場合に、カードローンの利用が将来賃貸物件を借りる際の審査に影響するのかどうか気になって躊躇している方もいるかもしれません。
また、カードローンを既に利用中であってこれから賃貸審査を受けるのに影響はないのか気になっている方もいるかもしれません。
そのような方のために、カードローンの利用が賃貸審査に影響するかどうかについてお伝えしていきます。そのために、まずは賃貸審査の際に必要な書類や判断基準について確認しておきます。
賃貸審査の必要書類
ここでは、賃貸審査に必要な書類を確認しておきましょう。
物件を借りる際に必要な書類は、不動産会社によって多少異なりますが、おおよそ以下のような内容の記入や提出が求められます。
- 契約者の住所
- 契約者の氏名
- 契約者の連絡先
- 契約者の勤務先
- 連帯保証人の氏名
- 連帯保証人の連絡先
- 身分証明書のコピー
- 収入証明書のコピー
賃貸の申込時に書類に記入する必要事項や提出書類では、住所や連絡先の情報のほか、勤務先や収入についての確認が主に行われます。
ご覧の通り、特にカードローンの利用状況など尋ねられることはありません。
賃貸審査の判断基準
賃貸審査の際には、賃貸審査の判断は、不動産会社や貸主である大家さんによって判断は異なるため、これと言った明確な基準はありません。
したがって、賃貸審査の際の判断基準をざっくりと示すと
- 家賃を滞りなく支払ってくれそうかどうか
- トラブルを起こしそうかどうか
ということです。
主にこの2つの観点から審査は行われます。
「家賃を滞りなく支払ってくれそうかどうか」という面では、年収・職業・雇用形態などが見られます。
無理なく支払える家賃は、収入の3割までと言われますが、当然ながら年収はより多い方が審査には通りやすいです。
そして、家賃を滞りなく安定して支払い続けていってくれそうかどうかという点で収入の安定性も重視されるので、大手企業の正社員や官公庁の正規職員(公務員)の方が審査に有利です。その反面、フリーターや契約社員などではより厳しく審査されるのが通常です。
このように、収入や職業が賃貸審査に影響しますので、審査に不利になることが見込まれる職業や収入の場合、賃貸審査に通りたいからと嘘の情報を伝えてしまいたい気持ちになることもあるかもしれません。しかしながら、調査すれば嘘は簡単にバレてしまいますし、もしバレてしまった際には不動産会社や貸主の信頼を大きく損ねてしまいます。万が一虚偽の情報でうまく賃貸審査を通ったとしても、後々トラブルになりますので、嘘などつかずにありのままを正直に伝えるようにしましょう。
また、「トラブルを起こしそうかどうか」という面では、職業や収入以外の要素も見られます。
当然ですが、後々、不動産会社や大家さんとトラブルに発展しそうな人や近隣住民とトラブルを起こしそうな人よりも、トラブルなく平穏に物件を利用してくれる人に物件を貸したいものです。
そのため、年収や職業などの要素に加えて、人柄も賃貸審査を通過するための重要な要素です。
たとえば、賃貸物件の申し込みをする際に、
- 乱暴な話し方をする
- 横柄で高圧的な態度を取る
- 極端に派手なファッションをしている
などといった場合には、契約後に何かのトラブルを引き起こす可能性が危ぶまれ、審査に通らないこともあり得ます。
人は見た目で判断されやすいので、誠実で温和な人柄だと見てもらえるように話し方に気をつけたり、清潔感のある落ちついた普通の服装を心がけましょう。
そのほか、トラブルを起こしそうかどうかという視点からは、水商売の方も賃貸審査に通りづらい傾向にあるといわれていますが、これは収入面ではなく、昼間を主な活動時間とする多くの職業とは異なる生活を送っているため、近隣住民との騒音トラブルを起こしやすいことが原因と言われています。
他にも、独身の人が多いマンションではまだ小さい子がいる世帯は通りにくい、ファミリー向けマンションでは独身者は通りにくいなどということもあり得ますし、トラブルを起こしやすいとの過去の経験から若い人に厳しい大家さんもいるようです。
カードローンの利用は賃貸審査に影響するのか
これまで見てきたように、賃貸審査の際には、
- 家賃を滞りなく支払ってくれそうかどうか
- トラブルを起こしそうかどうか
といった点について主に見られます。
世間的に、「借金をしている人=ダメな人」のようなイメージで見られがちかもしれませんが、賃貸契約の際には、カードローンを利用しているからといって、ただちにこれらの事項に影響を与えることは事実上ありません。
そもそも、後述するように、特定の賃貸保証会社を利用する場合などの一部の例外を除いて、カードローンの利用状況は賃貸審査の際の調査で照会されることはありません。
したがって、基本的にはカードローンを普通に利用しているだけでは、そのことをもって賃貸審査に落ちるということはありません。
過去にカードローンで滞納していた場合の賃貸審査への影響

多くの場合、過去にカードローンの滞納をしていても審査には無関係です。
先ほど、カードローンを普通に利用しているだけでは賃貸審査に落ちることはありませんと言いました。
とはいえ、普通にカードローンを利用しているだけでなく、過去に返済を滞納していたことがある場合には、もしかしたら、やっぱり賃貸審査に不利になる可能性があるのではないかと心配になってしまうかもしれません。
基本的にカードローンの滞納と賃貸審査は無関係
基本的には、カードローンで滞納したことがあったとしても、賃貸審査には関係がありません。
なぜなら、そもそも大家・不動産会社・賃貸保証会社はカードローンの滞納履歴を閲覧することができないからです。
カードローンの滞納があった場合、信用情報機関において事故として記録されてしまいます。
カードローンの契約審査の際には、信用情報機関に個人の信用情報を照会して審査しますので、滞納していて事故記録があればすぐにわかってしまいます。
しかしながら、信用情報機関の信用情報は賃貸審査には無関係です。
大家や不動産会社はもちろん、賃貸保証会社も信用情報機関の信用情報を閲覧することはできませんから、カードローンの滞納があろうとなかろうと、基本的に賃貸審査には無関係なのです。
それよりも、契約時に賃貸保証会社を利用している場合の審査で重要なのは、過去に家賃の滞納があったかどうかです。
賃貸保証会社は、契約者が過去に借りていた賃貸物件での家賃滞納履歴を参照することができますので、過去に借りた賃貸物件での滞納があった場合は賃貸審査に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ただし、家賃滞納の履歴が残るのは、どこかの賃貸保証会社を利用して物件を借りていた場合のみです。)
賃貸保証会社とは、賃貸物件の契約において、借主が家賃を滞納してしまった場合に貸主に対して滞納した家賃を立て替え払いをしてくれる会社です。
家賃の支払いを連帯保証してくれる代わりに、借主(契約者)から保証料を手数料として徴収することにより収益をあげています。
大家や不動産管理会社からしたら、賃貸保証会社を利用すると家賃の回収が不能になってしまうリスクがなくなるというメリットがあります。
借主が連帯保証人の代わりに利用するケースもあれば、賃貸物件の契約時に不動産会社が指定する賃貸保証会社に加入することが条件になっているケースもあります。
賃貸保証会社は、借主が家賃を滞納した場合には、いわば家賃の肩代わりをしなければなりません。
賃貸保証会社は、いい加減な審査をして家賃を滞納する借主ばかりと契約していては経営が成り立ちませんので、賃貸保証会社を通す場合にはより厳しい審査が行われます。
多くの賃貸保証会社は、全国賃貸保証業協会(LICC)などの団体に加盟していて、過去に家賃滞納があって家賃を代位弁済した情報のデータベースを参照することができます。
信販系賃貸保証会社の場合は注意が必要
お伝えした通り、大家や不動産会社、賃貸保証会社は信用情報機関の信用情報を閲覧できませんので、カードローンの滞納は審査には無関係です。
ただし、カードローンの過去の滞納が賃貸審査に関係してくる可能性のある注意すべき例外があります。
それは、利用する保証会社が信販系保証会社(クレジットカードを発行している会社)だった場合です。
代表的な信販系保証会社としては、例えば
- ジャックス
- セゾン
- オリコ
- アプラス
- ライフ
- セディナ
- エポスカード
といった会社があります。
こうした信販系保証会社が家賃保証をする物件だった場合で、その信販会社のカードローンを滞納していたことがあれば、賃貸審査に不利に働く可能性があります。
たとえば、借りようとする物件の賃貸保証会社がジャックスであって、過去にジャックスのカードローンの返済を滞納していたことがあった場合、賃貸審査が通りづらくなる可能性があります。
賃貸審査は、「家賃を滞りなく支払ってくれそうかどうか」という観点から行われます。
したがって、過去にカードローンの返済を滞った経験がある場合は、新たに契約しようとする賃貸物件の家賃も、過去のカードローンと同様に滞納するかもしれないと判断されやすいので、審査に落ちる可能性があるのです。
自分からカードローンを利用していることを言わないこと
カードローンを利用していて借金があるということは、大家や不動産業者や保証会社には言わないようにしましょう。
申込時はもちろんですが、申し込み後に保証会社からの電話連絡のときもです。
賃貸保証会社から電話がかかってくることがありますが、この電話連絡の目的は、家賃を滞納したときにきちんと連絡を取れるかどうかの確認が目的であって、借金があるかなどといったことなどを聞いてくることはありません。
このときに自分から余計なことを言わないほうがいいです。
もしも、「正直に伝えておいたほうがいいかも」と変な気をまわしてしまって、カードローンを利用していて借金があることをこちらからわざわざ伝えてしまったら、それはやはり賃貸審査に不利に働く可能性もありますので気を付けてください。
まとめ
- 基本的にカードローンを利用していても賃貸審査には無関係です。
- 不動産業者や賃貸保証会社は信用機関情報を閲覧できないので、カードローンで滞納がある場合もこちらから言わない限り関係ありません。
- 例外として、借りる物件の保証会社が信販系の場合で、かつその会社のカードローンで滞納していた場合は注意が必要です。
カードローンを利用していても、カードローンで過去に滞納していても賃貸審査には無関係です。
なぜなら、そもそも不動産業者や賃貸保証会社は信用機関情報を参照できないため、こちらから不用意にわざわざ言わない限り、カードローンの利用の有無や滞納の有無を知ることができません。
ただし、例外として、借りようとする物件の賃貸保証会社がオリコやジャックス等の信販系(クレジットカード会社)で、過去にそのカード会社のカードローンで滞納をしていた場合には、自社サービスの利用履歴を照会され、賃貸審査に悪影響を及ぼす可能性があります。