今回の記事では、以下の内容について調べてみました。

  • 交通安全協会の入会率
  • 交通安全協会会費の使い道

結論から言うと、交通安全協会の入会率は全国的に低下傾向にあります。交通安全協会の活動内容やメリットがわかりにくいことなどが一因と考えられますが、集められた会費は交通安全の推進や啓発のための様々な事業に役立てられています。

・・・詳しくは記事をご覧ください!

交通安全協会の入会率が減少中

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交通安全協会の入会率は、様々な理由により年々減少しています。

運転免許の更新手続きの際、加入を勧められる交通安全協会ですが、その交通安全協会の入会率が年々下がっているといいます。

なぜ交通安全協会への入会率は下がってきているのでしょうか。

交通安全協会への入会率が減少

全国の交通安全協会の入会率のデータが一覧で公表されているところなどがあれば一番分かり易いのですが、そういったデータはネット上には見当たりませんでした。

一般社団法人全日本交通安全協会のホームページなどを見ても公表されていません。

しかしながら、少し古い記事も含まれていますが、いくつかのソースから全国的に交通安全協会への入会率が確実に減少していることがわかります。

交通安全協会の入会率35%に減

 交通安全協会の会員離れに歯止めがかからない。宇部交通安全協会(高橋明利会長)が1日の総会で明らかにした2012年度一般会計決算書によると、昨年度の入会者(法人を除く)は1万人の大台を割る9434人(前年度比2053人減)にとどまったことが分かった。運転免許更新時に3分の2のドライバーが入会を辞退していると推計される。

 協会事務局によると、窓口の入会率は宇部(宇部警察署)が53・4%、県(総合交通センター) が28・4%で、両窓口を合わせると35%前後。「年々減少する傾向にあり、(協会離れを)抑止できていない状況」という。

出典:宇部日報

宮城県では2008年の加入率37.4%

   そんな中で、資金源ともなっている会員数が大きく落ち込んでいる。宮城県交通安全協会の場合、運転免許取得者(新規・更新)に占める会員数の割合を示す「加入率」は、1998年には67.5%だったのが、2003年には53.3%、2008年には37.4%と大きく落ち込んでいる。

こうした傾向は全国的にも同様で、栃木県の場合も、朝日新聞10月7日付の記事によると、1998年頃までは80%前後で推移していた「加入率」が、2005年には59.3%、2008年には49.9%だったという。また、J-CASTニュースが広島県、兵庫県、千葉県の交通安全協会に会員数を問い合わせたところ、数字は公表していないとしながらも、年を追うごとに落ち込んでいる状況だ、と明かす。

出典:J-CASTニュース

県内の16交通安全協会 止まらぬ会員離れ

 徳島県内に16ある交通安全協会の会員離れが止まらない。加入率は1992年度まで90%を超えていたが、2009年度から50%を割り込んでいる。

出典:徳島新聞

ご紹介した記事内の記述から、交通安全協会の入会率が全国的に減少しているのは間違いなさそうです。

交通安全協会は都道府県単位
交通安全協会は、各都道府県単位で設置されています。

それぞれの運営形態は公益財団法人、一般財団法人、一般社団法人など都道府県により異なります。

これらの都道府県の交通安全協会を統括する全国組織として一般財団法人全日本交通安全協会があります。

また、都道府県よりもさらに細分化された警察署単位でも地域単位の交通安全協会もありますが、現在はそのほとんどが任意団体として形式上は独立しています。

そもそも交通安全協会加入は任意

交通安全協会への加入は必須ではなく任意です。

そのため、交通安全協会費を支払うかどうかは個人の判断に委ねられており、交通安全協会の活動に賛同できないのなら会費を支払う必要もありません。

交通安全協会費はいくら?
交通安全協会費の金額は各都道府県の交通安全協会によって異なりますが、1年あたりにおよそ300円~700円ほどです。

この1年あたりの年会費(300円~700円)に更新年数をかけた金額が免許更新時に支払う交通安全協会費です。

たとえば、有効期間が5年間のゴールド免許の方は、

300円~500円(年会費) × 5年(有効期間) = 約1500円~3500円

を運転免許の更新時に支払う必要があります。

数百円程度ならまだしも、それなりに豪華な外食だってできるこの金額は多くの人にとっては、任意加入の交通安全協会費として支払うのは惜しいと感じるのかもしれません。

交通安全協会への入会率が減少している理由

交通安全協会への入会率が減少している理由について考察してみたところ、以下のような理由があると思いました。

  1. 入会のメリットがよく分からない
  2. 活動内容がよく分からない
  3. 経済状況が変わった
  4. 警察官の天下りの受け皿だと批判された
  5. 入会しなくても免許更新のハガキも送られてくる
  6. 入会しなくてもデメリットが少ない
  7. 強制加入だと勘違いされていた

1.入会のメリットがよく分からない

交通安全協会に入るとどんなメリットがあるのかあまり知られていないと思います。

交通安全協会の会員には

  • 協賛店の割引
  • チャイルドシートの無料貸し出し

などといった特典もあるのですが、これらの特典は一般的にはあまり認知されていないと思います。

もしくは、これらのメリットを認知したとしても魅力的に感じないのかもしれません。

2.活動内容がよく分からない

交通安全協会の活動内容に賛同すれば、「ぜひ協力したい」という気持ちから、入会して会費を支払う人もいるかもしれません。

しかしながら、一般的には交通安全協会がどのような活動をしているのかについて、そもそもあまりよく知られていないと思います。

3.経済状況が変わった

バブル経済期などに比べ、経済状況がそれほど思わしくない状況が長く続いているため、多くの人が余分な出費はできるだけ控えたいと考えるようになっていることもあるかもしれません。

4.警察官の天下りの受け皿だと批判された

交通安全協会は、警察官の天下り先になっているとして、マスコミ各社からの批判にさらされてきました。

マスコミにより、ほんの数年ほどの短期間の在籍にもかかわらず多額の退職金が支払われていたことが明らかにされましたが、自分の支払った会費が天下りした元警察官の多額の退職金に使われていると思ったら交通安全協会になど加入したくないと考える人も多いのではないでしょうか。

5.入会しなくても免許更新のハガキが送られてくる

免許の更新時期が近づくと、免許更新を知らせる案内ハガキが送られてきます。

このお知らせハガキは、かつては交通安全協会が会員のために発送をしていたため、交通安全協会に加入しないと送られてきませんでした。

免許証の更新手続きを失念して無免許の時期が生じてしまっては大変ですので、昔はこの更新案内ハガキを目当てにして多くの人が交通安全協会に入会していたと思います。

しかしながら、法律が変わったために現在では各都道府県の公安委員会にお知らせハガキの発送義務が課せられていますので、交通安全協会に加入しなくてもハガキが送られてくるようになっています。

6.入会しなくてもデメリットが少ない

免許更新のお知らせハガキが送られてくることもそうですが、交通安全協会に入会しなくてもそれほどデメリットはありません。

強いてデメリットを挙げるとすれば、

  • 免許カバーがもらえない
  • 違反点数一覧表がもらえない
  • 免許更新時に順番が後回しになることがある

などがありますが、支払う会費とこれらのデメリットを天秤にかけたときに、多くの人にとっては入会するという結論には至らないのでしょう。

7.強制加入だと勘違いされていた

交通安全協会への加入は、義務ではなく個人の任意に委ねられるものです。

しかしながら、かつては加入が任意であることを十分に説明しないままに、免許更新窓口と同一の窓口で会費を徴収するようなことが横行していました。

そのため、多くの人が交通安全協会への加入が強制的な義務であると勘違いしたまま入会していたと思います。

このことは市民団体などにより問題視され、現在では免許更新窓口と交通安全協会の窓口は分離して設置されるようになり、強制加入だと勘違いして会費を支払う人が減っています。

交通安全協会の会費の使い道

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交通安全協会の会費は、交通安全に関する啓発活動、交通安全教育、交通安全に関する調査研究などのために使われています。

交通安全協会の活動内容が分かりづらいことが、交通安全協会の入会率が低下している原因の1つだと思われます。

ここでは、免許更新の際に交通安全協会に入会するかどうかの判断に役立てていただく意味でも、交通安全協会の会費がどのようなことに使われているのかについて調べてみました。

一般社団法人全日本交通安全協会のホームページによると、同教会では以下のような事業を実施していました。

  1. 交通安全に関する広報啓発活動の推進
  2. 交通安全対策等の推進
  3. 交通安全表彰の実施
  4. 交通安全教育指導者の育成のための研修会等の開催
  5. 交通安全教育及び啓発宣伝用資料・資器材等の作成・普及
  6. 交通安全に関する調査研究等の実施
  7. 各種行事に対する協賛、後援等の実施

1.交通安全に関する広報啓発活動の推進

交通事故の防止という目的を達成するために、国民ひとりひとりの交通道徳を高めて、交通ルールを正しく守るように自覚と実践を促します。

具体的には以下のような事業を実施しています。

  • 交通安全国民運動中央大会の開催
  • 全国交通安全運動の実施
  • 交通安全年間スローガン、ポスターデザインの募集と普及
  • 交通安全ファミリー作文の募集
  • 各種媒体を活用した交通安全広報の推進
  • 反射材用品を普及推進するための反射材フェアの開催
  • 飲酒運転根絶のためのハンドルキーパー運動の推進
  • 自転車月間の効果的推進

 

2.交通安全対策等の推進

交通安全対策を進めるために以下のような事業を実施しています。

  • 交通安全子供自転車全国大会の開催
  • 幼児・子供の交通安全対策の推進
  • 高齢者・身体障害者等の交通安全対策の推進
  • 自転車の交通安全対策の推進
  • 原付・二輪車運転者の交通安全対策の推進
  • 自動車運転者の交通安全対策の推進
  • 企業の交通安全対策の推進
  • 反射材用品の普及啓発
  • 道路使用等の適正化に関する対策の推進
  • 都道府県交通安全協会への交通安全活動資器材の支援

 

3.交通安全表彰の実施

長年にわたって交通安全運動のために尽力した人や団体などに以下のような表彰事業を実施しています。

  • 交通栄誉賞「緑十字金章・銀章・銅章」表彰
  • 交通安全優良団体等の表彰
  • 優良二輪車安全運転指導員等表彰

4.交通安全教育指導者の育成のための研修会等の開催

交通安全教育の指導者や交通事故相談を行う指導者を育成することを目的として以下のような研修会や講習会を実施しています。

  • 二輪車安全運転特別指導員中央研修会等
  • 安全運転管理指導者講習会
  • 都道府県道路使用適正化業務担当責任者研修会
  • 地域交通安全活動推進委員全国研修会
  • 幼児・高齢者交通安全教育指導者講習会

5.交通安全教育及び啓発宣伝用資料・資器材等の作成・普及

交通安全教育の充実強化を図るために、

  • 交通安全教育車
  • 自転車教室セット
  • 交通教育用ビデオ・DVD・映画

などを作成し、各都道府県の交通安全協会に配布しています。

また、交通安全のために

  • 夜間の交通事故防止のための反射材
  • 警報器付き横断指導旗
  • 交通反射幕

を作成し普及を図っています。

6..交通安全に関する調査研究等の実施

交通安全のための活動を効果的に推進していけるように、協会内に専門委員会を設置して調査研究を行っています。

調査研究の成果として、例えば

  • 「歩行者用反射材の活動実態調査」(平成18年度、反射材の着用状況を研究した調査)
  • 「自転車の安全利用の促進等に関する調査研究」(平成18年度、自転車の通行ルール等の法改正のための調査研究)

などがあります。

また、外国からの視察団と交流するなどして、世界各国で講じられている交通事故防止対策についても調査研究を行っています。

7.各種行事に対する協賛、後援等の実施

交通安全運動の効果的な推進のために、協賛や後援をすることにより他機関や団体と連携しています。

例えば、平成29年度においては以下のような他団体の行事に協賛・後援を行っています。

  • 無事故推進運動(あいおいニッセイ同和損保保険株式会社)
  • 全国地域安全運動(警視庁・全国防犯協会)
  • 平成29年度交通安全フォーラム(内閣府)
  • 交通事故防止キャンペーン(読売情報開発)
  • 第46回JA共済全国小・中学生交通安全ポスターコンクール(全国共済農業協同組合連合会)

他にも色々ありましたが一部のみ抜粋しましたが、平成29年度の実績では上記を含めて合計20以上の行事などに協賛・後援をしています。

まとめ

  • 交通安全協会の入会率は全国的に低下しています。
  • 入会率低下の原因は、入会のメリットがわかりにくいことや入会しなくても大したデメリットがないことなどが考えられます。
  • 交通安全協会では、交通安全教育のためのDVDや夜間事故防止のための反射材を作成したり、調査研究を行うなどして交通事故の防止の普及啓発や推進を行っています。

交通安全協会の入会率は、全国で低下傾向で推移しているようです。

交通安全協会の入会者が減っている原因としては、

  1. 入会のメリットがよく分からない
  2. 活動内容がよく分からない
  3. 経済状況が変わった
  4. 警察官の天下りの受け皿だと批判された
  5. 入会しなくても免許更新のハガキも送られてくる
  6. 入会しなくてもデメリットが少ない
  7. 強制加入だと勘違いされていた

などが考えられます。

活動内容があまり知られていない交通安全協会ですが、交通安全教育指導者の育成のための研修会の実施、交通安全のための調査研究、交通安全を推進するための反射材の作成・配布を行うなど多方面から交通安全の啓発や推進を行っています。